地域おこし協力隊から起業へ 。元地域おこし協力隊が考える成功の秘訣!
はじめに
こんにちは。元地域おこし協力隊のヤーマンです!
今回は地域おこし協力隊から起業した経験者の一人として、起業の成功と失敗の分岐点、そして成功に必要な要素についてお話しさせていただきます。完全にヤーマン視点の勝手な考察と提案ですが、皆様のお役に立てれば幸いです。
それでは早速本題…といきたいところですが、その前にまずは地域おこし協力隊と起業の実情についてまとめてみました

地域おこし協力隊の起業の実情について
総務省が報告しているデータを見ると、
地域おこし協力隊の制度が始まった2009年以降、
隊員数は驚くべき成長を遂げています。
初年度の89名から2024年には7,000名を超え、
今後総務省は隊員数を8,000人を目指しており
「地域おこし協力隊1万人時代」と揶揄されるほど、
今では地方にとって当たり前の制度になりました。
また任期終了後の進路を見ると、
約6割が同じ地域に定住を選択、
その中でも起業をされている隊員数は約4割程度とのこと。
これは7,000名いる隊員の内、将来的に約1,600名が起業に挑戦していく計算になります。思いのほか少なく感じてしまいますよね。
ただ最近では起業支援制度の認知の向上や先輩起業家によるメンタリング体制の整備(YouTube含め)など、サポート環境は着実に改善され、今後は起業成功率の向上が期待されています。
起業の形態は多岐にわたり、
飲食、宿泊、小売業や地域商社など、
地域資源を活用したビジネスが目立ち、
近年ではオンラインショップの開設・運営やワーケーション施設の運営など、
時代のニーズに応じた新しい形態も増えてきています。
一方で、起業後3年以内に事業の継続を断念するケースも少なくありません。
さて、ここからが本題です。
一般的に事業をやめる要因として、
ニーズのミスマッチ、資金計画の甘さ、経営ノウハウの不足などが挙げられると思いますが、
「地域おこし協力隊」の起業における成功と失敗の要素ってそれだけじゃないような気がするんです。
それって一体なんでしょう?
実際に地域おこし協力隊を経験したヤーマンの見解をまるっとお伝えしていきます!
これから協力隊になろうとしている方はもちろん、
現役隊員の方にも今の活動を見直すきっかけになるはずです。
最後は起業に役立つ起業支援補助金についてもお伝えしているので是非最後までお付き合いください。
・地域おこし協力隊の起業における成功事例と失敗事例
・地域おこし協力隊の起業における成功のための3要素
・地域おこし協力隊の起業における必要なマインドとスタンス
地域おこし協力隊の起業における成功事例と失敗事例
地域おこし協力隊に就任し、
右も左もわからないところから生業をつくっていく。
沢山の課題や壁に立ち向かいながら、
自分自身の基盤を整え起業をする、
それが地域おこし協力隊としての起業の醍醐味です。
それではそもそも、地域おこし協力隊とそうでない方の起業ってなにが違うと思いますか?
答えに行く前に、まずは成功と失敗の特徴を見てみましょう!
※あくまで「起業」を視点とした成功と失敗の考察です。
地域産業や地域組織への「就職」とは異なる視点となります。
【成功パターン1:地域資源の再発見型】
・その土地ならではの食材や伝統を活用
・現代的な視点で新しい価値を付加
・例:地元産の茶葉を使った新感覚のドリンク開発など
・成功の要因:独自性が高く、他との差別化が図れる
【成功パターン2:課題解決型】
・地域の困りごとをビジネスで解決
・耕作放棄地での農業展開
・例:空き家を活用したシェアオフィスなど
・成功の要因:地域ニーズとの合致、行政からの支援も得やすい
【成功パターン3:複合型ビジネス】
・カフェ+宿泊+体験プログラム
・農業+加工+販売
・例:古民家カフェ+農家民宿+農業体験など
・成功の要因:複数の収入源確保、季節変動への対応
【成功パターン4:つなぐ型】
・都市と地方をつなぐ
・生産者と消費者をつなぐ
・例:地域商社、オンラインショップ運営など
・成功の要因:両者のニーズを理解し、適切なマッチング
共通する成功要因
・地域との良好な関係構築
・自分の強みと地域資源の組み合わせ
・持続可能なビジネスモデル
・情報発信力
・適切な資金計画
実例1
「藤原みそこうじ店」
鳥取県・若桜町の藤原啓司さん
素材にこだわった味噌作りで日本各地に愛される味噌に
氷ノ山系の豊かな水、地域での地道な桶探し、耕作放棄地を開墾し栽培した大豆と生産者の広がり、天然麹菌を採取する自然醸造。
京都での味噌作りの経験と、水や天然麹菌という地域資源、地域の生産者と協力して育てた大豆たちがうまく掛け合わさって生まれたお味噌は、地域おこし協力隊二年目に1トンの生産量から今や10トンを超えるほどに。
(雑誌『TURNS』Vol.56 P.70-75から参考)
実例2
「一般社団法人fumoto」
岩手県・洋野町の大原圭太郎さん
法人の設立、行政からの委託を受けた地域おこし協力隊の募集事業
協力隊期間中は観光情報の発信がメインだった大原さん。活動期間中に感じた地域プレーヤーの人材不足を痛感する。多彩なプレーヤーを呼び入れ、自らが協力隊の受け皿になり、支援するための「土台」になるため起業を決意。行政からの委託という形でコーディネーター料をいただくというビジネスモデルを形成。「課題解決型」と呼ばれる受け身のミッションだけではなく、「企画提案型」という隊員からの積極的な企画提案からのミッションを多く採用しているのが特徴で、サイクルツーリズムや木工、ゲストハウス立ち上げなど、各人の主導で進められている。令和六年度の新規協力隊の募集定員はなんと18名にまで増加。大原さんの土台から、洋野町と人材をつなぎ、地域を思うプレーヤーを多く創出。地域の人材環境に好循環を生み出している。
(雑誌『TURNS』Vol.63 P.72-79から参考)

これらのパターンは、あくまでも参考例です。実際には、地域の特性や個人の強みによって、様々なアレンジが可能だと思います。
それでは地域おこし協力隊の失敗事例の特徴にはどんなものが考えられるでしょうか?
残念ながら起業で失敗してしまう要因
【失敗パターン1:主体性の欠如】
1.行政や地域組織主導の特産品開発に従事
2.商品はできたものの、販売や運営の主体が不明確
3.結果的に行政や地域組織頼みとなり、自立した事業として継続できなかった
【失敗パターン2:準備不足】
1.カフェをオープンしたものの、経営の知識が不十分
2.集客や売上の計画が甘く、経営状況が悪化
3.資金計画が不十分で、運転資金が続かず半年で撤退
【失敗パターン3:地域との関係】
1.都市部の感覚でゲストハウスを開業
2.地域のニーズや文化との不一致な営業
3.地域住民との関係が築けず、孤立化
【失敗パターン4:事業モデルの弱さ】
1.農産物の生産、育てやすい野菜の栽培の開始
2.販売を始めたが、他のライバルとの差別化ができず
3.価格競争に巻き込まれ、収益が上がらない
4.季節変動への対応もできず、通年での運営が困難
共通する失敗要因
・しっかりとした事業計画がなかった
・地域との関係構築が希薄だった
・経営の基礎知識の習得が不足していた
・資金計画の綿密な準備ができていなかった
これらの地域おこし協力隊での成功事例と失敗事例から共通点が見えてきそうですね。
そう、成功も失敗も「地域」という背景が良くも悪くも起業に関わってくることが「他」の起業と違う、地域おこし協力隊ならではの起業の特徴だとヤーマンは思っています。
言い換えると、
地域資源や地域課題に根付いた「地域への貢献」が活動の基盤となり、
自分自身の夢や希望、
将来こうして生きていきたいという
「自己実現」を組み合わせていくことが
起業への第一歩ではないでしょうか。
「地域への貢献」×「自己実現」の上手な掛け合わせ。ここに起業のための事業・資金計画を組み合わせることが、地域おこし協力隊の起業を成功させる秘訣だと思うのです

元地域おこし協力隊ヤーマンの起業実例
ここで、ヤーマンの経験をお話ししましょう。
私ヤーマンの場合、
廃園になった幼稚園の利活用が地域課題(ミッション)となっていました。
他の地域の廃業施設活用の事例だと、
●コミュニティスペースやシェアキッチン、
●アーティストを誘致したアトリエ活用、
●工房やゲストハウス利用、
●ワーケーション施設としての活用などがありました。
地域の方にも参考に聞いてみてると、
皆さんが集まれる場所や市外の方も来てくれるような場所ができれば、
という希望が目立っていました。
なにをしようか…悩みに悩んだのを覚えています。
そんななか、自分の専門性であった薬膳茶の製造・販売と、
地域資源&課題である幼稚園、
地域の方の希望を組み合わせた「薬膳茶喫茶」を作れば良いのでは??
ということを思いつき、
協力隊期間中に作り上げることができました。
飲食店営業自体ヤーマンがやってみたかったことですし、
自分の特徴と地域の豊かな自然資源、
地域課題を組み合わせることで、
オリジナリティのある起業ができたのではと思っています


もちろんここまで辿り着くには紆余曲折がありました。
思いついたからといってすぐに起業できるわけでもありません。
これまでのミッションとのすり合わせ、
受け入れ組織や地域の方との合意形成、
行政組織の認可の有無、
資金調達など人によって起業への課題はそれぞれだと思います。
それではできるだけスムーズに、
リスクも少なく起業をするために、
具体的になにを意識しながら日々の協力隊の活動に向き合っていくべきなのか、
地域おこし協力隊として
起業を成功させるその要素とはなんなのか?。
ヤーマンは以下3つの要素、
プラスその後にお伝えする心構えが必要だと思っています。
現役地域おこし協力隊の皆さんも、
是非自分の活動が以下の要素に当てはまっているかチェックしてみてくださいね。
地域おこし協力隊の起業における成功のための3要素
- 地域との信頼関係
・地域住民との密なコミュニケーション
・地域文化への理解と尊重
・地域の声に耳を傾ける姿勢 - 持続可能なビジネスモデル
・明確な収益構造
・季節変動への対応
・複数の収入源確保
適切な準備と計画
・三年間の活動計画
・必要な技術や知識の習得
・綿密な資金計画
1.地域との信頼関係
地域との信頼関係なくしては、
そもそも地域おこし協力隊の活動もままなりません。
が、ここを蔑ろにする隊員も多いというのが実情です。
自分がしたいことと地域が必要としていること、
このすり合わせは協力隊卒業後も続くことを自覚してください。
静かに暮らしたい地域性の場所に、
✖大規模なイベントは必要だろうか?
✖地域資源を過剰に消費する事業モデルになっていないか?
✖都市部の感覚での一方的な事業展開になっていないか?
常に自問自答が必要です。

元地域おこし協力隊ヤーマンの4つの収入源
2.持続可能なビジネスモデル
地域おこし協力隊の起業にかかわらず、事業の持続性は必要です。
ただ経験上、
1つの事業だけではなかなか持続できないのが地方での起業になるかと思います。
地方で飲食店を開業する場合、
平日もお客さんが来てくれるだろうか。
積雪の多い地域での冬季営業は可能だろうか。
気候変動による農作物の収穫高の変動。
などなど。
一点集中で伸ばしていくビジネスモデルも良いですが、
こういったリスクに備えて、
2つ目、3つ目の収入源があれば安心です。
ヤーマンの場合、
薬膳茶の製造・販売と喫茶店営業のほか、
アルバイト先としてゲストハウスのお手伝いをしたりしています。
実はヤーマン、
夏は喫茶店内のエアコンが無いため営業休止をせざるを得なく、
さらにこの時期は薬膳茶の売り上げが低くなるので
(お茶は熱いというイメージなので)
ヤーマンが暇な時期に、
繁忙期であるゲストハウスさんのお手伝いをさせていただくという、
win-winの関係でお仕事をさせていただいています。
また、移住前からしていたアパレルパタンナー
(洋服の型紙をつくる)の仕事を今でも続けているので、
ヤーマン自身としては、
★製茶業
★飲食店業
★アパレルパタンナー
★ゲストハウス
のお手伝いというように、
4つの職種をしていることになります。
難しそうに見えますが、
地域では複数収入源を持っている方は案外多いです。
夏は米の生産者となり、
冬は山の仕事をしている人。
狩猟業と飲食店業を掛け合わせている人。
行政の仕事をしつつ、
隙間時間にスキーのインストラクター。
などなど、
自分のライフスタイルに合わせ、
繁忙期と閑散期のデコボコを上手にならしている方も多いのです。
一つの事業の持続性にこだわりすぎない、
自分自身の持続性を大切にしたビジネスモデルを構築しましょう。

3.適切な準備と計画
まずは三年間の活動計画を明確にできているかがポイントとなります。
・1年目:地域理解と関係構築をつくれているか
・2年目:事業の具体化がイメージできているか、実行ができているか
・3年目:実行しながらも試行錯誤の年、起業準備から事業開始への移行を考えながら活動できているか
当たり前ですが計画は大事です。
もちろんコロナ騒動などで急な計画の修正があったりもしますが、
三年間の活動計画、
その後どうして生きていくか。
これを大まかでも計画しなければ、
今日明日の活動指針を決めることができません。
特にこの地域おこし協力隊の三年間は失敗しても生活ができる三年間ともいえます。
できるだけ沢山のトライアンドエラーを繰り返して、
卒業後の起業がスムーズになるように動いていきたいですね。
同時に必要な技術や知識、資格も取っておきたいですね。
★農作物や家畜を育てる知識や技術、
★販売促進の知識や技術、
★飲食店営業に必要な資格や許可、
★集客に必要な技術
などなど。
特に飲食店営業は許可を得るための場所、
改装費やその改装に要する時間、
食品衛生責任者の資格などが必要です。
狩猟業においては鉄砲所持許可が必要な場合、
取得に一年かかることもあるので、
自分がなりたい職種に必要な許可や資格の取得期間には十分注意が必要です。
最後はお金の計画性。
地域おこし協力隊期間中は極論、
最低限の活動報告さえしていれば苦労なくお金が入ってきますが、
卒業後はそうはいきません。
特に起業を考えている人は自分でお金を稼がないといけなくなります。
さらに今まで支払ってこなかった
年金や健康保険料のあれこれも突然請求されることに!
ヤーマンもそうでしたが、
この「地域おこし協力隊卒業後から事業がある程度安定するまでの移行期間」が
一番金銭的にもつらい時期となります。
できるだけこの期間をイージーにするために税金対策も必要になります。
どのタイミングで起業をして、
個人事業主(人によっては法人)として経費を使い、
将来的な支払いをいかに低く抑えていくのか…。
そのタイミングも重要になります。
(後述の起業支援補助金にも関わります)
方法は人それぞれ。
すでに起業している先輩協力隊、
自分が起業する職種に近い事業者の方々にたくさん会って相談してみましょう!

この3つの要素を踏まえても日々の活動に不安が残る…。
本当にこれで良いのか…。
ヤーマンも任期中、幾度となくこの疑心暗鬼に襲われました。
そんな方へ、
最後は活動中のメンタルを支えるのに重要な心構え
「マインドとスタンス」になります。
起業における必要なマインドとスタンス
.バランス感覚
・地域貢献と自己実現の両立
・理想と現実のバランス
・都市感覚と地域文化の調和
「地域への貢献」×「自己実現」の
上手な掛け合わせ。
地域おこし協力隊の成功事例のところでもお話しした
この二つのバランスを常に意識することが重要です。
地域に必要とされながらも、
自分が主役となる自立した経営ができる事業を目指しましょう。
2.主体性
・自ら考え行動する姿勢
・責任感を持った事業運営
・依存体質からの脱却
「お手伝い」ではなく
「自分ごと」として捉える姿勢が必要です。
地域の課題を自分の課題として受け止め、
解決策を考えていく。そんな意識が大切です。
3.柔軟性と粘り強さ
・状況に応じた事業の修正
・失敗を恐れない挑戦spirit
・長期的な視点での取り組み
協力隊の三年間は、
その後の人生を左右する重要な期間です。
失敗しても大丈夫なトライアンドエラーを繰り返せる大切な三年間です。
危機感をもちつつ、将来を見据えた準備をしていきましょう。
そしてここに一本、通しておきたいのが「自分の芯」です。

協力隊任期中は本当にいろんな「声」が聞こえてきます。
もちろん、評価の声だけではなく批判の声もよく聞こえるでしょう。
批判の声は特に大きく聞こえ、
自分の活動指針にも影響してしまいます。
そんななか、
大事なのは決してぶれない「自分の芯」です。
ヤーマンにもこんな経験があります。
活動期間中に薬膳茶喫茶を始めた頃、
ある一人のおじいちゃんに「自分のことばかりして」と言われたことがありました。
正直ショックでした。
もちろん自分達のためにもやっていたことですが、
いざ言われるとメンタルにくるものです。
ただそのとき、
私の中には「薬膳茶喫茶を通じて、地域を少しでも活性化させるぞ!」
という「芯」があったので、
なんとか乗り越えることができましたが
(引き返せないということもありましたが…)
こういった声に惑わされる方も多いはずです。
批判的な声の多くは
「今」と「自分(批判する人)」しかみていない人から発せられることが多いです。
「未来」と「地域」のことをみている協力隊が見えていない、
のだと思います。
(もちろんあなたのことや地域のことを心配して言われる批判はきちんと受け止めましょう)
そもそも地域の課題全てを自分一人で解決するのは不可能です。
開き直りも大事。
自分でできること、自分ごとにできる課題のみに集中しましょう。
結果、「芯」を通し、
やり続ければ必ず地域の方から認められるとヤーマンは思っています。
(数年後、そのおじいちゃんからは
「ようやっとるの!」と言われたので…。あの批判はなんだったのだろう…。)
国民の税金を使っている立場として協力隊期間中ももちろん大事ですが、
卒業後に定住し、
しっかりと生活できているかどうか、
地域の一員になれるかどうかが、
結局は地域の皆さんの一番気になるところだと思います。
地域おこし協力隊からの起業は決して簡単な道のりではありません。
しかし、しっかりとした心構えと準備があれば、
必ず道は開けると信じています。
大切なのは、
自分らしさと地域との調和のバランスです。
そして、
それを持続可能な形にしていく自分の芯という実行力です。
ヤーマンは皆さんの挑戦が、
新しい地方の未来を作っていくことを願っています!

皆様の活動に幸あれ!
以下より、起業する際にお得な起業支援補助金についてお話しします。
ご興味ある方は最後まで見ていってくださいね。
地域おこし協力隊になると活用できる100万円起業支援補助金
『地域おこし協力隊の起業と起業支援補助金 』
ここからは協力隊任期終了後の起業に大変役立つ起業支援補助金についてお話をしたいと思います。

・地域おこし協力隊になると活用できる100万円の起業支援補助金について
・起業支援補助金の使用用途
・起業支援補助金の使用期間と使用回数
・起業支援補助金申請に必要な書類
・要注意ポイント
・元地域おこし協力隊ヤーマンの経験と事例
・元地域おこし協力隊ヤーマンからのアドバイス
■地域おこし協力隊になると活用できる100万円起業支援補助金について
地域おこし協力隊には、
任期終了後の起業を支援する制度があることをご存知でしょうか?
条件に合えば、
最大100万円の起業支援補助金を活用できる可能性があります。
これは、協力隊として活動した地域で、
新たに事業を始める方をサポートする制度です。
地域おこし協力隊起業支援補助金と呼んだり、
起業支援補助事業と呼んだりと言い方は様々です。
お住まいの自治体にこのような制度があるか、
補助を受けることができればかなりお得な制度ですので調べてみましょう!
ちなみにヤーマンがその制度を知ったのは任期二年目頃でした。
棚からぼたもちとはまさにこのことですね!
■起業支援補助金の使用用途
ここで重要なポイントをお伝えします。
この補助金は
「協力隊任期終了後の新規起業」のためだけに使用できます。
具体的には
使える例
●新規店舗の開設費用
●新規事業に必要な機材の購入
●事業開始のための広報費
●開業に必要な資格取得費用
など
使えない例
✖既存事業の拡大
✖個人的な生活費
✖任期中の活動費用
など
もう少し踏み込んだ話は後述の要注意ポイントでお話ししますね!
■起業支援補助金の使用期間と使用回数
協力隊任期終了前後の1年(計2年)の期間内で一度きり
つまり、
任期終了の日から起算して前1年以内の者
任期終了の日から起算して1年以内の者
の方が対象となり、
協力隊任期終了日を起点として、
前後1年以内に起業する必要があります。
その上「一度の申請」のみの補助となるため、
最大100万円の補助金を受け取るには、
任期中から計画的に準備しておく必要があることがわかります。
起業するのに「50万円で十分!」という方はおそらくいないと思います。
せっかくのお得な補助金です。
しっかりと100万円分の計画を立てて起業への足掛かりにしましょう!
■起業補助金申請に必要な書類
各地方自治体によって必要な書類は違うかもしれませんが、ヤーマンの場合、
★収支予算書
★事業計画書
★見積書
でした。
そんなの書いたことない!という方も、
担当の職員さんにしっかりと相談して書類を制作すれば大丈夫だと思います。
事業計画書なんて書いたこともないヤーマンですが、
何度か相談&修正を繰り返し、無事補助金を受け取ることができました。
受け取り後は収支を証明する書類や領収書の提出も必要になるのでこちらも忘れずに!
■要注意ポイント
申請の際、特に注意していただきたいのが
「既に起業している場合、その事業に対する支援は対象外」という点です。
例えば
・地域おこし協力隊着任前から個人事業主として起業していた場合 、
その事業に関する支援は対象外
・任期中に起業してしまった場合 、
その事業に関する支援は対象外
・既存事業の別支店開設に関する支援は対象外
これらのケースでは、
残念ながら補助金を活用することができません。
自身が自己都合によって市外に転出してしまう場合も当然対象外となりますのでご注意を。
補助を受けたのちに転出する際も注意が必要です。
場合によっては補助金の返還も求められることもあるらしいので、必ず所属している地方自治体の条件を確認するようにしてください。
元地域おこし協力隊ヤーマンの起業補助金の活用事例
私の場合、協力隊着任前に個人事業主として大阪で店舗を経営していました。
また協力隊期間中もその事業に関する活動をしていたため、
この事業(店舗経営と製造販売業)に関して補助金を使用することができませんでした。
ただし、既存の事業とは別の事業
(レンタルスペースの新規事業)として申請したところ、
補助金を活用することができました。
ただこの事例も三年前のことですので、
今では条件が変わっているかもしれません。
(昔は車購入の費用として使われていたこともあるとかないとか…。
ヤーマンの時代では車は購入できませんでした。)
行政側の見方によって、
起業のタイミングにより補助を受け取れたり受け取れなかったりすることもあるらしく…。
正確な条件については、
お住まいの地方自治体や担当の職員さんに必ず相談するようにしましょう!
■ヤーマンからのアドバイス
- 着任前に必ず制度を確認
- 起業のタイミングを慎重に検討
- 地域の担当者に事前相談
- 具体的な事業計画を立てる
この補助金制度は、
地方での新しい挑戦を後押しする素晴らしい支援です。ぜひ皆さんも有効に活用していただければと思います!
ヤーマン(山口洋介)
1984年京都生まれの現在40歳。妻と猫、ヤギ、鶏たちとの田舎暮らし。
学校を卒業してからは大阪のアパレルメーカーで約6年間パタンナー
(洋服の型紙をつくったり、縫製工場や加工場とのやりとりといった業務)として働き、
退職後は京都の園芸店で働き始めます。
植物の魅力に触れる中で、
「自分でもお店を持ちたい」という思いが芽生えてきて一大発起、
大阪・阿倍野に「サササ」という小さなお店を開業しました。
薬膳茶と観葉植物を販売する、こじんまりとした店です。
都会での店舗経営。
それなりにお客様にも恵まれ、
充実した日々を送っていました。
でも、もっと自然に近い場所で、
自分らしい暮らしと仕事を作れないだろうか…。
そんな漠然とした思いを抱えていた時、
兵庫県宍粟市地域おこし協力隊の募集と出会い、
気がつけば協力隊になっていました。
現在は薬膳茶の製造販売、
喫茶営業などを生業とし、
田舎暮らしを満喫しています(^^)/
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